【完】無愛想彼氏





翌日、

あたしは翼くんと朝早くにお兄さんのお墓へと行った。


「久しぶり」

「…」

「…あのときは、

ありがとう。

あたし、寂しかったから、

嬉しかったよ」


「…兄貴はさ、ずっと…逢いたがってた」


うん…


あたしも。


もう一度、逢いたかった。

逢って、

ちゃんとお礼を言いたかった。




生きているあなたに──。






< 237 / 329 >

この作品をシェア

pagetop