【完】無愛想彼氏
「拓海、名前書けた?」
「おぅ」
「桃嘉、女子は?」
「ぁ、その…堤さんだけ…」
つつみ??
あぁ…あいつか。
堤。
クラスで、少し浮いてる存在の奴だ。
何も喋らなくて、友達がいないらしい。
「サッカーとバスケ、どっち空いてるの?」
「ば、バスケなんだけど…」
「チームプレー、できなくね?」
「…」
「…高野ー!」
「?! な、なに…」
「お前、女子バスケ部だろ。バスケに移ってくんね?」
「は? いいけど…」
「んじゃ、堤サッカーな」
俺の言動に、
クラスの奴らがどよめく。
だから嫌いなんだよ、こういうの。
決まんないと帰れないからしてんのに、
一々反応してさ。