【完】無愛想彼氏
放課後になり、
桃嘉は化学の提出物を出しに行った。
俺は、教室で桃嘉を待っている。
教室のドアが開き、
桃嘉かと思ったら、
堤だった。
「ぁ、い、いいだ…」
「は、俺?」
堤は、コクンと頷いた。
…コイツと喋るの初めてかも。
「さっき…あり、がと」
「さっき?」
「競技、決めてくれて…」
「…あぁ、別に。
つーかさ、あれぐらい自分のやりたいやつ言ってくんない?」
「…ッ…ごめん」
堤は、ゆっくり話した。
「あたし、喋るの、苦手で…地味だし…」
「お前の容姿と性格なんかどうでもいいんだけど」
「…ッ」
「苦手とかさ、そういうの以前に、周りの奴見ろよ。
全員がそう思ってると本気で思ってんの?
少なくとも、2人…そういう目で見てないと思う」