【完】無愛想彼氏
「ふた…り?」
「岸本桃嘉」
「…」
「あいつ、偏見で見ないし、
話してみろよ。
ちゃんと話聞いてくれる。
…あと一人は、」
「…」
「飯田蓮」
「…っ!!」
「話ぐらい聞くから、なんか意見あったら言って。
んじゃ、また明日な」
俺は桃嘉の鞄を持って、
職員室まで行った。
すると、そこにはちょうど桃嘉が職員室から出る姿。
「れ、蓮?! 教室で待ってるんじゃ…」
「待ちくたびれた」
「ご、ごめんねっ」
「いいって」
「ほんと…ごめんね…?」
「怒ってない。つーか、そんな謝るぐらいなら、」
俺はチュッと、桃嘉の額にキスをした。
「こっちよろしく」
案の定、
顔を真っ赤にさせる桃嘉。
そんな桃嘉を見て、俺は思わず笑った。
それを、堤が見てると知らずに。