【完】無愛想彼氏




翌日、教室に入ればざわついていた。

…なんだ??

「桃嘉、なんかあった?」

「ぁ…ぇっと…」

桃嘉が何かを話そうとした瞬間、拓海が飛びついてきた。

「堤だよ! 堤が、いきなりコンタクトにしてさぁ」

「はぁ?」

そんなことでかよ。

別に、誰が眼鏡だろうが、コンタクトだろうが、

どうでもよくね??

「眼鏡をとったら美人、ってわけでもねーのになぁ。

だから、みんな誰かを好きになったんじゃないか、って」

「あっそ」

別に、どうでもいい。

でも…

なんか、新鮮に見える。


二つ結びで、丸の形をした眼鏡。

それが、以前の堤。

眼鏡がなくなると、少し違って見える。


「…蓮」

「ん?」

「その…可愛い、と思う…?」

「え、誰が?」

「つ、つみさん…」

堤??





< 246 / 329 >

この作品をシェア

pagetop