【完】無愛想彼氏
「最近、なんか騒がしいよな…」
本人が気づいてないってのが、さらに質が悪い。
無自覚なんだから。
「…桃」
「へ?」
蓮はあたしの顎をグイッと持ち上げて、
触れるだけのキスをした。
唇は、すぐに離れ、
あたしは思わず両手で口を覆った。
「気にすんな」
ポンとあたしの頭を優しく叩いて、
工藤くんの方に行ってしまった。
あたしは、顔を真っ赤にさせたまま。
「桃嘉? 熱?」
「違うー//」
怜は、頭にハテナマーク。
彼のたった一つの言動で、
不安なんて吹っ飛んでしまう。