【完】無愛想彼氏
堤さんは、教室をキョロキョロと見回している。
何か…探し物??
「どうか…した?
何か探し物?」
「…い、飯田くん、ここにいるって…」
れ、蓮…??」
「ぁ、蓮なら…提出物出しに…生徒会室に」
「…ぁ、そう」
堤さんは、それだけ言って、どこかに行ってしまった。
どこかって言っても…
たぶん、生徒会室だと思うけど。
「はぁ…」
せっかく…
奈津子ちゃんの事は解決できたのに…。
やっぱり…
堤さんは、蓮に気があると思う。
ってか、絶対。
蓮が…堤さんの出る競技を決めたとき、
堤さんの表情が変わった。
まるで、
あたしが蓮に恋をしたときのような顔──…。