【完】無愛想彼氏
その瞬間、悟った。
堤さんは、蓮に恋したんだって。
はぁ…。
「桃嘉」
ポンと、机に伏せているあたしの頭に、
何かが当たった。
「いったぁー…」
「起きた?」
「ぁ、れん…」
別に、寝てなかったけど。
「これ、明日配るやつ。コピーしてきた」
「え、手伝ったのに…」
「いいって。ほら、帰るぞ」
「…あ、あのさ…」
「? なに」
「…堤さんと、会った…?」
「は? 堤?」
「う、うん…」
「…生徒会室で、会ったけど。堤に何か用あった?」
「ぁ、ううん!」
やっぱり…
行ったんだ。
グッと、胸が少し痛んだ。