【完】無愛想彼氏
翌日、
珍しく、ってか、なぜか、
伶が下駄箱で待ち構えていた。
…なんで??
今まで、お互い寝坊が多いから、一緒に登校なんて一度もなかった。
「ちょっと来て!!」
伶は、必死な顔をして、あたしの腕を引っ張っていく。
連れて行かれた場所は、校舎裏。
「ちょっ伶?」
「しっ」
え…??
伶が指を指す方を見る。
そこには…
蓮と堤さん。
「さっき、堤さんが呼び出したんだって。
告白、だと思う。
堤さんなら安心って思うけどさ、
飯田って、
不器用に優しいじゃん」
「…大丈夫」
「ぇ…?」
「蓮は、断ると思う」
「…」
「そんな大事なことで、嘘つかないから」
”告白”
人にキモチを伝えることが、
どんなに勇気がいることか、
あたしは知っている。
彼に…
伝えるのが、怖くてしかたなかった。