【完】無愛想彼氏
「なに隠れてんだよ、彼女サン」
ニッと、優しく笑う蓮。
「早くタオルと水ちょうだい」
「え…」
「それ、俺へのじゃないの?」
”それ”と指しているのは、あたしが持っているタオルとペットボトル。
カァーと顔が熱くなるのがわかった。
「ぷっ。クククッ」
おかしそうに笑ってる蓮に、あたしはタオルとペットボトルを渡す。
「サンキュ」と嬉しそうに笑う蓮を見るのが、
すごい嬉しかった。
体育館のベランダに、蓮は座った。
「隣」
そう言われ、あたしは蓮の隣に座る。
蓮は、そんなあたしの肩に寄りかかった。
「れ、れんっ?!//」
「ぁー疲れたー」
「お疲れ様」
「…桃嘉、試合いつ?」
「ぁ…午後の二つ目…」
「サッカー、だっけ?」
「うん…」
「ふぅん」
「…見にきてくれるの?」
「審判じゃなかったらな」
「ふふっ、ありがと」