【完】無愛想彼氏
審判の仕事が始まれば、俺は少し驚いた。
完璧に、審判の仕事をこなす堤。
…あいつ、すげぇ。
どこか、真剣で…すごい、真っ直ぐな目で。
「おつかれ」
審判の仕事が終わり、俺は買ったジュースを堤に渡した。
「…」
「? 飲めない?」
「いいの…彼女…」
「んじゃ、俺が飲む」
「ぁ…」
俺はふたをあけて、一口分飲んだ。
「遠慮したからだ」
「…」
「…審判、すごかった」
「ぇ…」
「すごかった。
それだけ」
そう言って、俺は桃嘉を探しに行った。