【完】無愛想彼氏




「間宮、桃嘉は?」

「桃嘉?
審判の仕事終わって、どっか行ったよ?」

「サンキュ」

どっかって…どこだよ。

桃嘉の行きそうな場所…。

俺はとりあえず、体育館のベランダを見る。

…いない。

屋上も…いない。

グラウンドも、いない。

教室も、いない。


…おいおい。


あいつはどこ行ったんだよ…。


そんな事を思い、廊下を歩いていると、ある一言が耳に入った。

「岸本遅いなぁー」

は?!

バッと振り返ると、谷口と、学年主任。

「おい、谷口。桃嘉、どこ行ったんだよ」

「飯田…」

「今すぐ言え」

「体育倉庫に、物頼んだけど…戻ってこないんだよ。

って、おい!」


俺は、全力疾走で体育倉庫に向かった。

確か…

あそこは、ドアが上手く動かないんだ。




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