【完】無愛想彼氏
放課後になり、あたしは蓮を呼んだ。
「れ、ん! 帰ろ!」
「おぅ」
わぁ…。
久しぶりなこの会話が、嬉しくてたまらない。
前みたいに、あたしの手を握って歩いてくれる。
「れ、蓮…」
「ん?」
「その…なんか、隠して、る…?」
「…」
「…話してよ」
「バイト」
「え…」
「アルバイト」
「な、なんで?!」
「秘密」
「ぇえ?!」
「桃嘉が不安になるようなことじゃない」
「…うん…」
そんな会話をしてれば、もう家に着いてしまった。
幸せな時間はこんなにも早くすぎてしまう…。