【完】無愛想彼氏
「今日から、一緒に帰れるから」
「え…」
「寄り道はできねーけど…。
一緒に帰ってくれますか?」
「うんっ! うん!」
「ふはっ」
あたしは、ギュッと蓮に抱き着く。
「絶対だよ?! 絶対、絶対絶対だよ?!」
「はいはい」
「…嬉しいっ!」
そんな、素直な言葉が自然と出てきた。
以前みたいに、手を繋いで、仲良く話して、最後にはチューして。
この数週間で、それがどれだけ幸せだったのか。
だけど…
現実は、
そう…簡単に上手くいかないんだね。