【完】無愛想彼氏
蓮の家に着けば、あたし達はすぐに蓮の部屋へと入った。
「今日姉貴と姉貴の彼氏来てるから、あんまデカイ声は出すなよ」
「…んっ」
そっとあたしの頭を優しく撫でる大きな手。
好き…。
「んで、なにがあったんだよ」
あたしを安心させるかのように、隣に座って手を握っててくれる。
「…蓮はカッコイイよね」
「は?」
蓮は「なんだいきなり」とでも言いそうな顔であたしを見る。
「頭も顔も良くて、運動神経抜群で。もう完璧」
「…どーも、としか言えないんだけど?」
「もっと胸はっていいよ」
「…なんだそれ。俺に”やっぱ俺超すげー”とか言って欲しいわけ?」
「それは…どっかのヤンキーっぽい」
「じゃあどうしたらいいんですか」
「…手、握って」
「握ってるよ」
「…ギュッてして」
「…ん」
蓮は、ギュゥッとあたしを抱きしめてくれた。