【完】無愛想彼氏
「ぁー…あたし、蓮と行くから!」
「えーでも、飯田行きたくないんでしょー?」
蓮に目を向けると、完璧シカト。
またタオルを被って寝ている。
それにイラッときたのか、結花チャンは「もういい!!」と帰ってしまった。
「…れーん」
「ん、終わった?」
「うん! 帰ろ!」
「おー」
蓮は鞄をもち、欠伸をしながら立ち上がる。
そんで、当たり前のようにあたしの鞄をもった。
「いいよ、持てる」
「俺も持てる。ほら、行くぞ」
…ほらね。
蓮って、愛想は悪いかもしれないけど、すごい優しいんだ。
あたしの顔は、熱い…。
まだ、春なのに…。