【完】無愛想彼氏
「隣のクラス、一緒についてってやる」
俺がそう言うと、拓海の表情がパァッと明るくなった。
「れーん!!! 今ならお前に抱かれてもいいー!!」
「しばくぞ」
そんな拓海と一緒に教室にでて、欠伸をして歩いていると、前から誰かが衝突してきた。
「っと…大丈夫か?!」
「イタタ…ご、ごめんなさい!」
ぶつかった女の子は大量のノートを抱えていたみたいだ。
俺は床に広がったノートを集めた。
「あ、ありがとう!」
「こんな量、一人で運ぶ気?」
「あ、うん! みんなの役に立ちたいの!」
「…貸して」
「ぇ…」
「これ、数学のノートだろ? 今日うちのところも集めてた。俺の担任だし、渡しとく」
「い、いいよ! 一人で…」
「拓海、半分手伝え」
「ぁ、お、おぅ!」
俺は拓海に半分もたせた。