【完】無愛想彼氏
「お前、どうしたの? 全ッ然わかんなかったんだけど」
「えへへー!!」
「つーか、アメリカは? おばさんは?」
「…逝っちゃった」
「…」
ナツの母親は昔から体が弱く、毎日が病院生活。
父親はナツが小さい頃に家を出たっきりで、兄妹がいないナツはいつも一人。
だから、よく俺の家に来て遊んでたんだ。
「だからね、ジャパンに帰ってきたの!! 会いたかったよ、蓮くん」
ナツはギュゥッと俺に抱きついてくる。
「久しぶり」
そんなナツの頭を優しく撫でた。
「蓮…お前、二股…?」
「人聞きの悪い事言うな。幼なじみだよ」
「へぇー…」
「ふた…また?? 蓮くん、ガールフレンドいるの?」
「あぁ」
そっか…ナツには話してなかった。