【完】無愛想彼氏
「ものすげぇ、なんか言いたそうだな」
「まぁね」
「…んだよ」
「じゃあ、直球に言わせてもらうけど、
岸本とわかれてくんない?」
「無理」
谷口の目つきが変わる。
「じゃあ、俺も直球に言わせてもらうけど、
これ以上桃嘉に近づくな」
俺がそう言えば、谷口はフッと笑った。
「なんだ、妬いてたんだ」
「…」
「なんにも思ってないと思ってたから、余裕かと思ってたんだけど…そうもいかないみたいだな。
じゃあな、蓮くん」
…うぜえ。
俺は自分の鞄と桃嘉の鞄をもち、教室を出た。
「俺も帰るな」
「おぅ、じゃあな」
拓海と別れ、俺はトイレの前で桃嘉を待った。