【完】無愛想彼氏





「ものすげぇ、なんか言いたそうだな」

「まぁね」

「…んだよ」

「じゃあ、直球に言わせてもらうけど、

岸本とわかれてくんない?」

「無理」


谷口の目つきが変わる。


「じゃあ、俺も直球に言わせてもらうけど、



これ以上桃嘉に近づくな」



俺がそう言えば、谷口はフッと笑った。


「なんだ、妬いてたんだ」

「…」

「なんにも思ってないと思ってたから、余裕かと思ってたんだけど…そうもいかないみたいだな。

じゃあな、蓮くん」


…うぜえ。


俺は自分の鞄と桃嘉の鞄をもち、教室を出た。


「俺も帰るな」

「おぅ、じゃあな」


拓海と別れ、俺はトイレの前で桃嘉を待った。








< 65 / 329 >

この作品をシェア

pagetop