【完】無愛想彼氏
「ぁ、蓮! 今度ね、HARUのライブやるんだって! 見に行こう!」
「ふぅん…そうだな。新曲歌うみたいだし」
蓮は「ネットで知った」と付け足し、あたしの頭をそっと撫でる。
「ぜってー空けとく。お前も入れんなよ」
「うんっ!!」
この温かい手が好き。
これだけで、あたしの心はポカポカするんだ。
「…ねぇ、蓮」
「んぁ?」
「今まで何回告白された?」
「…どうした、急に。今までそんな事聞いてこなかったじゃん」
「なんと…なく」
「…1年の時二回、だけ」
「? 今年は?」
「告られるわけねーじゃん。俺の事、そういう風に見てるの、桃嘉だけだと思うけど?」
それなら…嬉しいけど…。
絶対、その2人…まだ蓮の事好きだよ。
一回好きになったら、もう…嫌いになんてなれないもん。