四角い関係。

病弱体質




あの後無事に入学式の続きが行われ、


美紅も入学式が終わるころには体調も元通りになっていた。



それにしても何より私が驚いたのは、


あのときの悠太のあの反応。



今までのぐうたらして生意気な悠太には考えられない反応だった…。


私は目の前にあるお弁当の中の玉子焼きを箸でつかんで、


口の中で思い切りほおばりながら考える。


もしかして悠太、やっぱり美紅のこと…



「やば、気持ち悪いかも…」


「えっ、大丈夫!?」



私がそんなことを思っている間に、


また美紅の体調が優れなくなった。




入学してから、そろそろ1週間が経つけど、


美紅の体調は中学のころより悪化しているのは私にもわかってた。


やっぱ高校って、ストレス溜まるんだろうか…。


課題も中学に比べて多いし、人数も多いから美紅は疲れてるんだと思う。



美紅は幼稚園のころから…


まわりの環境が変わると、あんまり体調良くないからね。



「トイレ行こう? 美紅」


私は背中をさすりながら美紅を席から立たせた。


「ん…、ごめん」



美紅もしんどいのか、涙目になりながらも立ちあがり、


背中をさする私の肩に手を置いた。


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