ありがとう貞子さん
「さっき先生に会って来た」「そうなんだ」
「また退院は長引きそうだ」「そうなんだ」

あ、同じ言葉で返してしまった。それほど父の言葉は軽く感じる

僕は七年前、事故にあった。
自転車をこいでいた僕、青信号になってからちゃんと横断歩道をわたったのに

何故か突然激しく重いものに勢いよくぶつかり、意識は消え目覚めれば白いベッドの上に寝ていた僕。

泣く母と父。

すぐには理解できなくて暴れたりもしたけど、時が経つにつれ段々と居心地が良くなってきて、このベッドにも愛着が湧いてきた。
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