超短編 『夢』 5
夢が襲ってくる、、
俺はメンタル・クリニックへ行った。


普通の病院へ行っても原因が分からない。

たぶん気のせいでしょう、、、と
医者に言われたからだ。


気のせいだといえば、
すべてが気のせいになってしまう。

「頭が痛い、、、、」
「気のせいでしょう」

「おなかが痛い、、、、」
「気のせいでしょう」

「痛いものは痛いんだ。。。」
「ではその証拠を見せて下さい」

「すみません、、、気のせいかもしれません」



証拠なんてどうすればいいんだ。

怪我でもしていれば、医者の態度も少しは違う。


「怪我をして、痛いんです」
「気のせいでしょう」

「よく見てください。ここ血が出て骨が出てるんですけど」
「怪我をしているのは、見ればわかるけど、痛みはわからん」

「でも、痛いんです」
「しょうがないな。痛いことにして治療してやるよ」


そんな医者はいないだろう。

痛みの有無よりも、怪我の治療が先だろう。

誰もがそう思うだろうな。



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