君が好き。
走ったおかげでなんとか
間に合って、レジに立った。
カランコロン♪
俺がバイトしている雑貨屋は
客が来る度に鈴が鳴る。
「ありがとうございました。」
少ししてから、
カランコロン♪
ふと、ドアを見ると‥
入ってきたのは優美ちゃんだった。
自然と目で追っていた。
君はある程度見てから、やっと
選んだらしく、レジに歩いてきた。
多分‥俺のやってるレジに来る。
今は客も少ないし、
俺のやってるレジは売り場に一番近い。
ほら‥来た。
「いらっしゃいませ。」
気づかないか?
「480円です。」
俺がそう言った時、君はやっと
上を向いた。
「黒瀬‥先輩?」
‥気づいた。
「あぁ‥!!優美ちゃん?」
なんとか平静を装った‥つもり。
「あれ‥バイトしていいんでしたっけ?」
「あは‥バレた?
色々あって‥内緒にしといてね?」
「あっ‥もちろんです!!」
そう言って君は顔を赤くした。
ちょっと‥顔真っ赤にしちゃって‥
俺、勘違いしちゃうよ?
「はい‥20円のお釣です。
ありがとうございました。」
「また‥来ますね?」
「はい‥またお越しください。」
「じゃあ‥さよなら。」
さっきは聞けなかった君の声は
とてもキレイだった。
好き‥だなって思った。