君が好き。
第5章―過去
*優美side
はぁ。小さくため息をついた。
今日は、ちょっと憂鬱。
放課後に、葉山君とクラス人数分
の資料作りをしなきゃいけない‥
2人きりで‥正直キツい。
さっさと終わらせて帰ろう!!
あ‥先輩にメールしなきゃ。
『すいません(>_<)
今日、一緒に帰れなくなりました』
『どうしたの‥何かあった?』
『放課後、資料作りしなきゃいけなくて(>_<)』
『そっか‥頑張ってね?』
よし‥これで大丈夫だね。
放課後の教室にパチンパチンと
ホッチキスの音だけがする。
次の紙に手を伸ばすと、葉山君と
手が当たった。ビクッ。
「ごめん‥」
そう言ったら、手を引っ張られた。
「キャッ?!」
顔が近い‥怖いよ‥
「やっぱり‥可愛いね?」
「やめて‥」
声が震える。
顔が近づいてきて‥チュッ。
え‥ほっぺにキスされた?
やだ‥気持ち悪い‥
ガタッ。手をなんとか振り払い
走った。
涙がどんどん出てくる‥
怖いよ‥助けて‥