君が好き。

「あたし‥葉山君に‥
キス‥されました。」

「口に?」

「ほっぺ‥です。」

先輩はあたしをゆっくり体から離した。

やっぱり‥嫌われたかな?

「どっちがわ?」

「右‥です。」

そう言うと、先輩はあたしの
右のほっぺと左のほっぺにキスをした。

先輩からされても、全然嫌じゃなかった。

「え‥?」

あたしが言うと、先輩はニコッと笑って、

「右は消毒、左は悔しいから俺からね?」と言った。

「怒って‥ないんですか?」

「怒ってるよ、あいつに。
優美ちゃんは何も悪くないんだし‥
だから、泣かないで?」

優しく優しく、涙を拭ってくれる。

「先輩‥大好きです!!」

やっと分かった。
あたしは先輩が好き。

「俺もだよ‥
あ、そういえば‥俺に話があるんだって?」

「え?」

「あれ?‥
真波ちゃんが言ってたんだけど、違う?」

「まなが‥?」

「うん‥
《何聞いても、ゆぅの事好きですよね?》
って言ってたけど‥なんのこと?」

あれも言うのか‥

そう思いながらも、話すことにした。
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