君が好き。
*優美side
―翌日。
「おはよ‥」
いつも通り、バスで先輩と会った。
「あ‥おはようございます!!」
どうしよう‥
なんか、昨日偉そうな事
言っちゃったから気まずい。
「昨日は‥ありがとね?」
「え‥いえいえ!!
なんか偉そうな事言っちゃって
すみません‥」
「いや‥おかげで、目が覚めたよ。」
「そうですか‥?」
学校に着いた時、門の前に
大きな車が止まった。
運転席から、執事みたいな人が
下りてきて後部座席のドアを開けると
いかにもお嬢様みたいな
可愛らしい女の子が下りてきた。
あたしたちの横を通りすぎた
かと思いきや、
「あ!!」
と叫んで戻ってきて、目の前に止まった。
そして、先輩の手を掴み‥
「あなたに決めました!!」
と叫んだ。
「「‥へ?」」
あたしと先輩、見事にハモった。
「先輩‥お知り合いですか?」
「いや‥全然。」
訳の分からないあたしたちを
よそにどんどん話は進んでいるようで‥
「あなた‥お名前は?」
「俺‥? 黒瀬疾風です。」
「疾風‥ね?」
いきなり、呼び捨てですか?!
「はぁ‥」
「あなたは、私の婚約者です。」
「は?!」
キーンコーン カーンコーン
チャイムが鳴り、執事みたいな人が‥
「お嬢様‥お時間です。」
と言うと、
「では、続きはまた後で。」
何だったんだろ‥あの子‥
「行こっか‥?」
戸惑いながらも、あたしたちは
教室へ向かった。