君が好き。
「んー‥」
「まだ‥来ないのかよ?」
「もう帰っちゃったかな‥」
しょんぼりしてしまった光に
「もう少し待って見ようぜ‥?」
と声をかけると、
「‥あ!!」
そう言ってしゃがみこんだ。
「ヤバい‥来た。」
「え?」
前を見ると佐山優美が友達と
歩いていた。
「友達の方‥」
光が呟いた時には、2人は
どんどん歩いてきていて‥
俺の横を通りすぎた。
やっぱり、超美人‥
しばらく見とれていたが、
目的を思い出した。
「光‥!!声かけないのかよ?」
光は立ち上がり、声をかけた。
「ね‥ねぇ!!」
2人は同時に振り向いた。
君の長い黒髪が風になびく。
「なんでしょうか?」
少し警戒しながらも、友達は答えた。
「俺‥2年の木島光!!
仲良くしてくれない?」
君の友達は、同じ学校ということに
安心したのか‥
「あたしは‥椎名真波です。」
と自己紹介した。
君は、友達の後ろに隠れて
顔を見せてくれない。
「ゆぅも自己紹介したら?」
渋々と言った感じで君は言った。
「佐山‥優美です。」
顔が真っ赤だった。
「疾風は?」
ずっと君を見ていた俺は
やっと口を開いた。
「俺は黒瀬疾風!!よろしくな?」
君はあの日みたいにペコリと
頭を下げた。
カバンには、黒猫のキーホルダー。
「じゃあ‥分からない事あったら
俺らに何でも聞いていいから‥
今日はこれで‥じゃあな!!」
そう言った光に無理矢理引っ張られた。
「ありがとうございます‥さよなら♪」
後ろから君の声は聞こえなかった。