君が好き。

*優美side


「じゃあ‥今日はこれで〜
明日遅刻すんなよ〜」

先生の一言でHRは終了。

「ゆぅ‥帰ろ♪」

門を出て歩いていると
「ね‥ねぇ!!」

後ろから声をかけられた。

振り向くと、2人の男の人がいた。

とっさに真波の後ろへ隠れた。

同じ学校だと分かって、真波は
自己紹介した。

「ゆぅも自己紹介したら?」
真波にそう言われたら言うしかない。

「佐山‥優美です。」
カァーッと顔が熱くなる‥

これはあたしの体質。
好意も持ってなくても、異性と
喋ると自然に顔が赤くなる‥

「俺は黒瀬疾風!!よろしくな?」

あたしはそう言った人の顔を
チラッと見て、赤い顔を見られたくなく
うつむいていた。

「じゃあ‥今日はこれで‥―」

と言ったのに安心した。

隣で真波は何か言ってたけど
あたしは何も言えなかった。

「木島先輩カッコよくなかった〜?
‥ゆぅ、聞いてる?」

「え‥ごめん何?」

「ゆぅ‥あの先輩たちは大丈夫
だと思うよ?」

「うん‥」
違う人間なのにやっぱり怖い。

「大丈夫だよ♪あたしもいるし!!」
「そうだよね‥うん♪」

忘れよう‥いつまでも過去に
縛られてはダメだ。

「ねぇ!!木島先輩カッコよくなかった?」

「あぁ‥」
最初に話しかけてきた方?

「どうしよう〜惚れたかも‥」

「えぇ?!」

「やっぱり‥彼女いるのかなぁ?」
「彼女いたら‥まなに話しかけなくない?」

「そうかなぁ‥って、ゆぅに
話しかけてきたんでしょ?!」

「まなだよ〜」
自己紹介の時とか、ずっとまな
見てたし。

「じゃあ〜頑張る!!」

「うん♪ファイト‥!!」

あたしたちはまなの新しい恋を
応援しながら帰った。
< 9 / 191 >

この作品をシェア

pagetop