無償の想い
ぼーっとそんな事を考えていたら時間を忘れてしまった。

慌てて携帯の時計を確認する。

まだ予定の時間にはなっていなくて一安心。

と、思いきや隣に人影。

「きゃあ!」

と大きな声を出して立ち上がったら隣に居たのは理子さんだった。

「あーびっくりした!いつからそこに座ってたんですかー?」

無邪気な笑い顔を見せる理子さんが言う。

「んーっとね。5分前ぐらいかな?麻美ちゃん!って何度呼んでも聞こえなかったみたいで・・・ちょっと面白いから気が付くまで隣にお邪魔させてもらっちゃった」

「ええ?そんなに前から・・私、どんな顔してました?」

「なんかぼーっと一点を見つめてたよ。凄い真剣な顔つきで」

げげっ。めっちゃ見られてるし・・・

独り言とか言ってたらどうしよう・・・

「ねえ理子さん。私、独り言とか言ってませんでした?」

「独り言は言ってなかったけど・・・」

よかったー。うっかり口に出してたら大変な事になるところだった。

「あはは、良かったー!独り言なんて言ってたら私、危ない人みたいですもんね」

大笑いする理子さん。

「やっぱり麻美ちゃんて面白いねー!可愛い!」

褒められてるのかイジられてるのか微妙な気分。

「じゃ、ご飯いこっか?」

そう言って立ち上がる二人。

「今日は何食べる?」

「えーっと。。何でもいいです。理子さんのお任せで」

「うーん。じゃあお好み焼きとかどう?」

「あ、いいですねー。私ひっくり返すの上手いんですよ」

「あら、じゃあお手並み拝見と行きましょうか」

こうしてお好み焼き屋さんへ向かう。
< 106 / 122 >

この作品をシェア

pagetop