無償の想い
「ん?どうかした?麻美ちゃん?」

「え、何でもないです。。」

「まあ言いたくない事もあるよね。じゃ、そろそろ麻美ちゃんの裏返しテクニックを披露してもらおうかな?」

「はい!任せてください!!」

そうは言ったものの、お好み焼きをひっくり返すなんて何年ぶりだろう。上手くできる自信なんて無い・・

両手でヘラを持ち、「それっ!」と勢い良くひっくり返す。


『べちゃ』


大失敗・・・

お好み焼きは見事に真っ二つに割れてしまった。。

微妙な空気が鉄板の上に漂う・・・


「あ、麻美ちゃん!気にしないで!平気だよ!」

精一杯の作り笑顔で慰めてくれる理子さん。

「ごめんなさい・・・失敗しちゃいました・・・」

「そんなに落ち込まなくても平気平気!ほら、こうやってかき集めちゃえばバッチリよ!」

そう言ってちゃっちゃと割れたお好み焼きを直してくれる理子さん。

失敗すると思ったけどここまで酷い結果は予想していなかった私。

懸命に慰めてくれる理子さん。

「ごめんなさい・・あんなに自信満々に言ってたのに」

「そんな小さい事でくよくよしなくていいの!お腹に入っちゃえば同じでしょ!ほら、飲んで飲んで。店員さーん!生中二つ追加ねー!」

やっぱり理子さんは優しい。お姉さんみたい。

「そうだ!理子さんって姉妹とかいるんですか?」
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