無償の想い
「兄弟で性格が違うのって普通なんですかね?」

「どうだろうねー?でも妹さんもかなりの行動派だよ」

そう言って笑う理子さん。

どうしよう。

昨日の事を理子さんに話しても平気だろうか・・

街で偶然堂島さんと妹さんに出会った事。

変に思われたりしないかなあ・・・

「あ、そういえば麻美ちゃん、昨日充に会ったんだって?」

心臓が口から出ちゃうかと思った。

「え、あああはい。偶然・・・」

「その時一緒に居たのが妹の香織ちゃんだよ」

「あーやっぱりあれが妹さんだったのかーびっくりしましたよ」

「なんで?」

「だって堂島さんが女子高生と一緒に居たんですもん。自分の目を疑いましたよ」

そう言うと理子さんは大笑いしていた。

「そりゃビックリするわよねー!充と女子高生の組み合わせなんて」

「はい・・・」

「よく二人で買い物とか行くみたいよ。仲良いから」

私の周りにはそういうタイプの子は居なかったからちょっと驚き。

お兄ちゃんと買い物かぁ・・・優しいお兄ちゃん。堂島さんだったら最高だな。

「どうしたの麻美ちゃん急にニコニコしちゃって」

「え、いえ別になんでも・・・でも堂島さんも優しいですね。妹さんの買い物に付き合ってあげるなんて」

「たぶん昨日のは強引に香織ちゃんが充を連れ出したんだと思うよ。いつもそうだし」

「理子さんは一緒に行ったりしないんですか?」

「私はあまり行かないなあ。やっぱこういうのはお兄ちゃんが行かないとね」
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