無償の想い
恥ずかしくて思わず下を向く私。

「可愛い子だね」と堂島さん。

「本当、可愛い子ね」と宮下さんも続ける。

恥ずかしさと嬉しさが混じった気持ちで、ますます顔を上げる事が出来ない私。

こんな事を嫌いな人から言われたら頭にくるけど、全然そんな事を感じさせない二人。

(二人とも凄く優しそうだなぁ…)って思った。

たったこれだけの時間でも二人の人の良さが分かる気がした。

店員さんが飲み物を持ってきた。

「カンパーイ」と二度目の乾杯をする。

彼女の左手には婚約指輪が光っていた。
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