無償の想い
食事も終わり、時計の針は10時になろうとしていた。

「じゃあそろそろ2件目へ行きますか!」と武。

「おいおい、明日も仕事だろ?」と堂島さん。

(良かった…さすがに今日は疲れたよ。これで2件目なんて行ってたら確実に明日起きるのが辛くなる)

武のワガママもサラッと流せる堂島さんはやっぱり素敵。

「じゃあ俺は武を送って行くからさ。理子、麻美ちゃんをタクシーで送ってあげて」と堂島さん。

「分かった。充も気を付けてね。タケチャンおやすみなさい」と宮下さん。

「おやすみなさい」

と私も言い、宮下さんとタクシーに乗るため通りまで歩いた。

「麻美ちゃん、今日は楽しかったね」

「はい。楽しかったです」

「今日来て良かったわ。麻美ちゃんにも出会えたしね」

「私も宮下さんに出会えて良かったです」

「そう言って貰えると嬉しいわ。それから『理子』って呼んで良いわよ?1つしか変わらないんだし」

「そんな…じゃあ理子さんって呼んで良いですか?」

「ええ、私は麻美ちゃんって呼ぼうかな?」

「はい。じゃあ、そう言う事にしましょうか」と二人で笑う。

「よろしくね麻美ちゃん」

「こちらこそよろしくお願いします」
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