無償の想い

8 翌日

次の日、会社に出社したら私の元へ武がやってきた。

「おはよう。昨日は騒がしくて悪かったな」

「ううん。楽しかったよ」

「そうか。それなら良かった。でな、急で悪いんだけど頼みがあってさ…」

「頼み?」

「昨日は充の相談がほとんど話せなかったからさ」

「そっか…あの状況じゃ話すに話せなかったよね」

「そう言う訳でまた時間をとってもらうかも知れないけど…大丈夫?」

「うん」

「ありがとな。じゃあまた」

と言って武は自分のデスクに戻った。

昨日の一件から何となく武に対する私の印象も変わった気がした。

会社では見せないような表情や雰囲気を知った事で変わったのかも知れない。

その日の昼休み、メールがきた。

理子さんからだ。

『昨日は楽しかったね。充も楽しかったって言ってたよ!』

(堂島さんも楽しんでくれたみたいで良かった〜)

『それでね、今度私と二人で会ってもらえないかな…?』

(え?どういう事だろう…?)

『後でメールちょうだいね〜!』

ふぅ。なんだか忙しくなってきちゃったなぁ…

ま、頼られるのは幸せな事だし、頑張ろう!

私の気持ちは心の宝箱に鍵をかけておかなくっちゃ。
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