無償の想い
それにしても堂島さんの相談を聞く前に理子さんの話を聞けるのは、ラッキーなのかアンラッキーなのか…

堂島さんの事も気になるし、理子さんの事もきになる。

いけない!深く考えるのは止めよう。

その時が来るまで未来は誰にも分からないもんね。

土曜日。

理子さんと待ち合わせた場所へ向かう。

相手を待たせるのは失礼だと思い早めに予定の場所に着いたが、既に理子さんは待っていた。

「すいませーん!お待たせしました!」と駆け寄る私。

「ううん。私も今着いたところ。じゃあ行こっか?」

この前は会社の制服だったけど、オフモードの理子さんも可愛い。

堂島さんと理子さん。「お似合い」ってのはこの二人の為にあるような言葉だ。

とてもじゃないけど私なんか相手にならないな。なんて思っていたら

「可愛いカッコだね。彼氏とのデートもそんな可愛い格好なの?」と理子さん。

「私彼氏いないですよー」と答える。

「あら、私はてっきりタケチャンが彼氏なんだとばかり…」

「いやいや、山下さんは会社の先輩ってだけですよー」

「そうなんだ。タケチャンが女の子連れてるのは珍しいからさ」
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