無償の想い
「よし!出来たよ!そこに姿見があるから見てみたら?」

大人になってから浴衣なんて初めて着たけど何か変な感じ。

「まだ髪の毛セットしてないから違和感感じるかもしれないけどね。でも似合ってるよ!」

「似合ってる」とか言われるとやっぱり嬉しい。

普段、褒められる事なんてあまりないからこういう事に慣れてないし。

「じゃあ私も着替えちゃうね」

髪の毛のセットは理子さんのお母さんに手伝っていただいた。

理子さんに負けずお母さんも器用で可愛く仕上げてくれた。

「よし!準備完了!麻美ちゃん行こっか!充とタケチャンを驚かせてやろう!」
と理子さん。

一人凹んでいた私だけど、楽しそうにしている理子さんを見たら元気が出てきた。

「はい!浴衣姿で男共をメロメロにしてあげましょ!」

理子さんの家を後にし、慣れない下駄で苦戦しながら約束の集合場所へと急ぐ。

集合場所に着くと意外な光景が…

なんと男達も浴衣で来ている。

「おっせーよ!祭り終わっちまうぞ!」と武。

隣で堂島さんも笑っている。

男達も浴衣で来ていた事にビックリした私は武に聞いてみた。
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