無償の想い
｢麻美ちゃんすごく似合ってるよ。武は照れ臭いんだよ｣と言ってくれた。

後半部分はどうでもいいとして前半の『すごく似合ってる』に心はキュンキュンしていた。

｢充！理子ちゃんにも何か言わないと！ほら！｣

｢やっぱり俺の惚れた女だ。何を着ても可愛いなあ｣と堂島さん。

｢いつもはそんなセリフを言うキャラじゃないのに。もう！｣と理子さん。

堂島さんいつもと違って笑顔が多い。

｢でも二人とも可愛いよ。すごく似合ってる｣と堂島さん。

お世話だと分かっていても恥ずかしくなってしまう私。

夕方じゃなかったら顔が赤くなっているのがばれていたかも。

｢よし、じゃあ行くか｣と武。

｢祭りなんて久しぶりだなー｣と堂島さん。

｢ねー！こんな風に遊びに行く事も最近は無かったもんね｣と理子さん。

商店街のお祭りだけど路肩には露天がいっぱい並んでて人も大勢いる。

ぼーっとしてると人の波に流されそう。

｢危ないから手を繋いで歩こうか｣と堂島さん。

もちろん堂島さんは理子さんの手を引く。

そうなると私は武と手を繋ぐ事に。

｢はい、お嬢様｣と武。

｢しょうがない、今日だけだぞ！｣と言って武の手を取る。
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