無償の想い
メールだ。

送信者は・・・・堂島さん!

涙を拭い携帯を開く。

「今日は本当にありがとう。またご飯食べに行こうね。おやすみ」

普通だったらなんとも無いメールかもしれない。

でも、私にとってはすっごく大切なメール。

彼からもらった初めてのメール。


「どういたしまして。またご飯行きましょうね」

とメールを書いて返信しようとした時、無意識に手が止まった。

私の中のもう一人の自分がメールを送るのを止めた。

「どういたしまして。またご飯行きましょうね。今度は理子さんも一緒に」

と書き換え返信した。


この時、最初の文面で送っていたら後で必ず後悔したに違いない。

舞い上がっていた自分が情けなく思う。

メールを送った後、そのまま携帯の電源を切った。

せめて今日だけは・・・と思いながら眠りにつく。

大切な物を胸に抱きながら。
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