無償の想い
とりあえず武に彼女は居ないようだが今度はクリスマスに何をするのかが気になる。

「ねえねえ!クリスマスは何するの?」

「そんなに気になるか?」

「そこまで言ってたら普通気になるでしょ」

「じゃあ・・・教えてあげない!」

「なによーそんなに勿体つけなくてもいいじゃん!」

「実は・・・」

「実は?」

「今のところ予定は無い。以上!」

「なーんだ!やっぱり無いんだー!」

「そういう言い方しなくてもいいだろー結構傷つきやすいタイプなんだぞ俺」

「そんな簡単に傷つくようには見えないけどね」

「いつもは家族と過ごしたり充と過ごしたりしてたんだよなー」

「へー。その時は理子さんも一緒なの?」

「ああ。大学時代から24日はみんなで過ごして25日は個人活動だな」

「個人活動って何よ?面白い事言うね」

「まあそれぞれ自由に過ごしましょって事さ」

「じゃあ堂島さんは理子さんと。武は一人でメリクリなわけだ。さびしー」

「寂しいとかいうな。泣くぞ。でも今までそれでも寂しくなかったんだよな。仕事とか忙しかったし」

そういう武の表情はちょっと物悲しげだった。

やっぱり、友達が結婚するという事でこれまでと同じように遊べなくなるって思っているのかもしれない。

「今年は堂島さん達とは遊ばないの?」

「うーん・・あいつらも結婚前の最後のクリスマスだからなあ。邪魔しちゃ悪いと思って」
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