無償の想い
「そっか・・独身最後のクリスマスだもんね。確かに私でも遠慮しちゃうかも」

「だろー?だから今年のクリスマスは予定が無いの僕ちゃん」

「キモ!それで私の予定を聞いてきたのねー。そういう事はストレートに聞かないと余計に変だよ?」

「そんな根性ねーよ」

「まったく、今の若い男は根性が無いなあ」

「オッサンみたいな言い方するなよ」

「でも今年のクリスマスは堂島さんたちどうするんだろうなー?武は予定聞かれてないの?」

「うん」

「もしかしたら毎年恒例だからやるつもりでいるんじゃない?」

「いつも俺が二人を誘ってたんですけど・・・」

「ええー!?そういうのを空気読めないって言うんだよ!」

「・・・今となっては反省しても足りないぐらいです」

「堂島さんと理子さんが優しいから良かっただけだよ。他の人なら武の事恨んじゃったりするかも」

「あんまり怖い事言うなよー。俺、恨まれてるのかなあ」

「さあー・・・・?恨まれてるって事は無いと思うけどねえ」

武は今まで本当に気が付いていなかったのだろうか。

大体、クリスマスは恋人同士で過ごしたいと考えるのが自然じゃないかと。

でも、あの二人ならそういう武の気持ちも汲んでくれるかもしれない。

きっとその可能性の方が高いと思う。

それにしても器の大きい二人だなあ。。

私だったら同じ事を出来る自信がないや。

「なんか考え出すとマイナスな方向に行っちゃうなあ・・・はぁー・・・」

「そんなに考え込むぐらいなら私が直接聞いてあげようか?」
< 84 / 122 >

この作品をシェア

pagetop