無償の想い

17 衝撃

何時からかこんなに臆病になってしまったのだろう。

学生の頃はもっと自由に恋愛していた気がする。

大人になるってこういう事なのかもしれないけど何か寂しい。


店の外から夕日が差し込んでくる時間になるまで座っていた。

重い腰を上げ出口に向かって歩いていく。

デパートを出て時間を見ようと携帯を出そうとした時だった。


ドンッ!!!


『いたーい!』

学校帰りの女の子とぶつかってしまった。

とっさに「すいません」と謝る私。

「大丈夫ですか?」と話しかける。


『いてて。ちょっと!どこ見て歩いてるのよ!危ないでしょ!!』

何度もすいませんすいませんと謝る私。

『ちゃんと前を見て歩きなよ!お年寄りや子供だっているんだから!』

女子高生に説教されるなんて初めてだ。

自分が悪いのだけれど情けなくて恥ずかしい・・・

その時、私の後ろから「香織!何やってんだ?」という男の声。

(うわぁ・・大事になっちゃう・・・)と思った時だった。
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