無償の想い
差出人は理子さんからだった。

久しぶりに入ってきた理子さんからのメール。

なんとなく後ろめたい気持ちになりながら内容を読む。

「こんばんは。遅くにゴメンネ。もう寝ちゃってるかな?起きてたら連絡ください」

受信時刻を見ると12時ちょっと前だ。

その時間にはもう眠ってしまってたのだろう。

全く気がつかなかった。

それにしても理子さんどうしたのかな?

いつもだったらメールなんて送らずに最初から電話してくるのに・・・

昨日の事といい、なんか胸騒ぎがする。

ただの気のせいであってくれればいいのだけど・・・

理子さんにメールを返し、出勤する仕度を整える。

会社に行く途中も気になって仕方が無かった。

朝メールを送ってから理子さんからの返信は無い。

堂島さんと理子さん。両方を気にしながら業務をこなす。

お昼近くになり、ふと携帯に目をやるとメールが入っていた。

「理子さんからかな?」と思いながら携帯を開くと送信者はなんと武。

「もう!みんなして一体何なのよ?」と思いつつ武を探す。

一通り見回しても武の姿は無い。

行き先が書いてあるホワイトボードを見ると午前中は外出しているようだ。
< 98 / 122 >

この作品をシェア

pagetop