――Special☆Summer――


校内イベント当日、
私は、体育倉庫の裏にいた。


「あっつ……。」


あと10分で本番が始まる。





私は、顔を合わせないように、普段誰も来ない倉庫の裏に来ていた。


「ここなら…、誰もいない。」


私がそう呟いて、
日焼けしないように、
倉庫の影で休んでいたら、



『和花…ッ!!』



ぎゅっと、懐かしい匂いに包まれた。


「そ…、ら??」

『和花…!!』


私の名前を呼ぶ声。


『やっと会えた。』

「なんで、ここに…、」

『つーか、なんでアドレス変えた?』


そう。
私はあの日、
アドレスを変えて、
空に教えなかった。


『なんで、教えなかった?』


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