君とバスで



「あの、大丈夫ですか?」



はっと目を開けると、
視界に飛び込んできたのは
心配そうな顔のあの達也くん。


あれ!? どういうこと!?


状況理解のために辺りを見回す。


いつも乗ってるバスの中だった。


「次で降りる場所ですよ」


「あ……ありがとうございます」


どうやらさっきのは夢だったらしい。


それにしても達也くんは優しい。
寝過ごしそうだったあたしを、
わざわざ起こしてくれたんだ。


もう一度心の中でお礼を言うと、



「どういたしまして、新谷紗知(シンタニ サチ)先輩」



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