[完] スマフォン忍者 HISANO
 それにしても、こんなにしゃべり声がうるさいと思ったことがあったのか。

 久家島の中学校では、今ほどうるさくなかった。
 女の子の人数が多くなかったから。

 久家島は中学校は一つしかなく、高校は島を出て行かなきゃいけない。
 高校進学をあきらめて、島に残る同級生だっている。
 寿乃は本家に下宿して、この清川女子高校に通うことを選んだ。

 自分で決めた道なんだから仕方ないと、寿乃は無理矢理嫌な気持ちを鎮める。


 はあ・・・

 ばたんと机にへばりつく。

 とにかく眠い!うるさいと思うのはどうでもよくなった。

 下宿先から電車で一時間半かかる。それに朝の修業は毎日欠かさず行っている。
 だから、毎朝四時に起こされる。

 とにかく、眠気がたまりすぎて今にも爆睡しそう。

 実際に、寝た。

 っと思いきや・・・


「お財布がない!」

 この大きな声に、寿乃は起こされた。



 
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