[完] スマフォン忍者 HISANO
――あーあ、面倒なことになったよ。――
寿乃の思いがわずかに顔に出た。武仁には分かった。
「どうして事件を解決しなければならないかって思っているのか。」
「まぁ・・・。」
武仁はそっと微笑む。寿乃は迷惑そうな表情。
「事件を解決するのは、傷ついている人を助けるためだけじゃない。
傷つけている人も助けるためだ。
たとえその人がつらい思いをしても、他人を傷つけて自身も傷つけてほしくはないとわしは思う。」
「はぁ・・・。」
「まっ、あくまでわしの考えだ。
寿乃も考えに染まる必要がないぞ。」
武仁は急に立ち上がった。
「それでは、事件解決を頼んだぞ。」
寿乃は慌てて膝の前に手をついて、頭を下げた。
「はい。」
寿乃の返事を聞いてから、部屋を出ていった。
完全に視界から消えたことを確認してから頭を上げ、立ち上がって部屋を出た。