[完] スマフォン忍者 HISANO
 だけど、この後言いたいことは分かる。

 頼れる人がいなくなった啓仁は、武仁の養子として引き取られたのだろう。

 生まれて間もないっということは、特別養子縁組制度を使ったかもれしれない。

 特別養子縁組は簡単に言えば、実の両親や血族との関係が完全になくなり、養家の実の子扱いになる制度。
 ただし、これは六歳未満の子供にしか適用されない。

 いずれにせよ、ひねくれている理由が分かったかもしれない・・・。


「ねえ、はるくんは本当の両親に会いたいと思っている?」

 こんなの聞いたら、怒られるよね?

 言った後気付いたが、もう遅い。

 啓仁はこくりとうなずく。

「そうか・・・。

 ごめんね、はるくんのこと全然知らなくて。
 今日は、もうこの辺にしようか。」

 寿乃は立ち上がる。


 完全に立ったと同時に、ふらっとした感覚が。

 低血圧のせいか、いつもの話だが。




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