[完] スマフォン忍者 HISANO
 恐ろしい話を聞いたせいか、いつもよりひどい。

 心臓締め付けられるような、なんだかよくわからない現象。

 だけど、啓仁はもっと悲しかったのだろう。

 武仁から事実を打ち明けられた時。

 それでも、寿乃に言うのはきっと勇気が相当いるだろう。

 
 ふと後ろに振り返る。

 啓仁はまだ座り込んでいる。

 やっぱり。

 あんなに落ち込んでいる啓仁は見たことがない。

 機械操作に明け暮れ、運動はちょっと・・・

 もしかしたら、それも悲しみを忘れるため?

 っとすると・・・

『はるくん、分家の身が言うのもあれだけど、将来この家を継ぐんだよ!
 こんなに弱くてどうするの?』

 こんなこと言ったら、啓仁傷ついたかも・・・。




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