[完] スマフォン忍者 HISANO
 いつも、ブレザーやYシャツ胸ポケットに差し込んでいる。

 寿乃は、シャーペンや棒をよけるのは苦手だが、投げるのは得意。

 瞳美や啓仁よりはるかに技術がある。

 手先の零点何ミリの動かし方の差で、技が大変わり。

 もちろん速度によっても。

 
 今は、十メートル先にあるリボンの真ん中にフックをひっかける技の練習。

 寿乃、よ~く狙って・・・投げました。

 ぐんぐんスピードが上がっているのだが、微妙に右にそれている。

「寿乃ちゃん、うわぁぁぁ!」

 部屋に入ってきた瞳美に当たりそうになる。

 しかし、瞳美をシャーペンはぐるんと反時計回りに回り、寿乃の手元に戻る。

 バシッ~♪

 右手でシャーペンを取った。
 

 そして、肩を下ろした。

「瞳美ちゃん、ごめんね。」
「大丈夫だよ。」

 寿乃は冷や汗が止まらない。もし、瞳美に当たったら、ただでは済まなかったと思うと。

 その後も、シャーペン投げを続けた。


< 28 / 258 >

この作品をシェア

pagetop